『こどちゃ』作者・小花美穂が描く怖いマンガ『パートナー』とは

『こどちゃ』作者・小花美穂が描く怖いマンガ『パートナー』とは アニメ

私たちが子どもの頃からある、少女マンガ誌「りぼん」。あなたは読んでいましたか?ちびまる子ちゃんやママレード・ボーイなど人気作品を連載しており、テレビアニメでも放送された作品が多く見られましたね。さて、その中でも特に話題の作者が「小花美穂」さん。「こどものおもちゃ」という代表作をりぼんで連載していたのですが、小花美穂さんが描く作品はどれもトラウマ級の要素を含んでいるんです。今日は、その作品の1つ「パートナー」をご紹介していきたいと思います。

怖くて悲しい…小花美穂「パートナー」とは

双子カップルの恋愛のもつれからスタート

登場人物は、一卵性双生児の苗(なえ)と萌(もえ)、そして二卵性双生児の賢(けん)と武(たけし)。高校で出会って仲良くなった4人は、充実した学校生活を送っていました。双子の姉でしっかり者の苗は、物静かな双子の兄・賢に思いを寄せていきます。しかし、甘えん坊で天然な妹の萌もまた、賢のことを好きになってしまうのでした。そして、賢が選んだのは妹の萌だったのです。ついに自分の気持ちを言い出せず、賢のことを諦めようとする苗。しかし、実は萌は、苗が賢を好きだったことを知っていたのです。それがきっかけでケンカをしてしまう苗と萌でしたが、仲直りできぬまま、萌は交通事故で亡くなってしまいます。

萌の遺体が盗まれる

萌の遺体は警察から盗まれてしまい、恐怖の展開を迎えます。そんな中、恋人を亡くして憔悴状態の賢を連れて旅行に来た苗と武。すると現地で、萌を見かけたのです。たまらず萌を追いかけ腕を掴んだ賢ですが、その瞬間腕はもぎ取れてしまいました。たどり着いたとある施設で真相に行き着く3人。なんと亡くなった萌は、製薬工場で行われていた実験により、人間剥製として生かされていることが分かったのです。

ショックで自殺する賢、そして賢も…

萌の死を受け入れられない賢は、工場内で自殺。そして、賢もまた「人間剥製」として、苗と武の前に姿を現します。萌と同様、生きていた頃の記憶は消され、感情を持たない剥製として働いているだけの賢。そんな現実を懸命に受け入れながら、監禁されている施設からの脱出を試みる苗と武。しかし、警備員に見つかり銃を向けられてしまいます。

眠った脳が覚醒した賢

そのとき、感情を持たないはずの賢が盾となり、苗と武を守ったのです。人間剥製として眠らされていた脳が一瞬覚醒し、もとの賢に戻ったのでした。そこで賢は、人間剝製に使われる薬が猛毒のため、この施設ごと焼き払う計画が進められていることを、苗と武に打ち明けます。結局、賢と萌はその爆発に巻き込まれ、苗と武は無事に脱出することができたのでした。

別れのシーンが衝撃的だった作品

始まりは、よくあるカップル同士の恋愛のもつれ。それでも仲直りをしようと、姉である苗は、可愛い妹の萌にプレゼントを買って謝ろうとします。そんな愛おしい日常が、萌の死によって地獄の底まで突き落とされ、さらには賢を自殺に追いやってしまう…とことんヘビーで暗いストーリーでしたね。小花美穂さんが描く作品は、恋愛や人間関係だけではなく、今この世界を生きていること、平穏な日常を送っていることの素晴らしさを、改めて感じさせてくれる不思議な魅力を兼ね備えているのです。

まとめ

トラウマ級の恐怖シーンを含む話題作「パートナー」。何気ない日常生活がガラッと変わっていく衝撃の展開に、恐怖の描写が、少女マンガの中では異様な空気を放っていましたね。小花さんも作品を連載していた少女マンガ誌「りぼん」で活躍していた矢沢あい 病気という報道がなされながらも、あの頃の作品やグッズを懐かしむりぼん展が開催されたりと、時代を超えて今も愛されています。小花美穂さんが織りなす世界観の深い作品たちも、これを機にぜひ読んでみてくださいね。

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