世界から見ても、日本語 難しいという声はよく挙げられます。日本語は、似たような言葉でも微妙なニュアンスの違いを持つため、単語の使い分けに注意が必要なのです。
例えば、「自首」と「出頭」という言葉は、似ているようで実は異なる意味を持っています。本記事では、似たような意味を持つ日本語の微妙な違いについて解説します!
「自首」と「出頭」は、どちらも”被疑者が罪を認めて警察へ行く”という意味であると思われます。しかし、微妙な意味の違いがあるのです。
「自首」は、被疑者が自ら罪を告白し、名乗り出ることを言います。
一方で「出頭」は、既に被疑者として特定されている者が、捜査機関に出向くケースを指します。また、単純に警察署や裁判所などへ出向くという意味でも使われます。
簡単にまとめると、犯人が不明なのが「自首」、明らかになっているのが「出頭」ということになります。
犯罪事実が、または犯人がだれかが分からないうちに、犯人が自分から捜査機関に申し出ること。
例文:彼は発生した事故を隠さずに自首し、誠意を示した。
本人がその場所、特に役所・警察などに出向くこと。
例文:警察は彼に出頭するよう命じた。
「浮気」と「不倫」は、両方とも恋人や結婚相手以外の異性と関係を持つことを指しますが、微妙な意味の違いがあります。
「浮気」は恋愛や結婚の相手がいるにもかかわらず、他の異性を好きになってしまうことを指します。恋愛関係や肉体関係が無くても、他の異性に目移りしている状態を浮気と言えます。
一方で「不倫」は、既婚者が配偶者以外の異性と恋愛関係や肉体的な関係を持つことを指します。
浮気と不倫の違いは、主に結婚しているかどうか、恋愛関係や肉体関係があるかどうかということです。
心がうわついて変わりやすいこと。一人の異性だけを愛さず、あの人この人と心を移すこと。
例文:彼女がいるのに女友達と何度も二人で会うなんて、浮気しているのではないかと疑ってしまう。
道徳にはずれること。特に、配偶者以外と肉体関係をもつこと。また、そのさま。
例文:長年の夫婦関係に疲れを感じ、彼女は不倫してしまった。
「力不足」と「役不足」は似た響きで意味も同じように思えますが、実は全く違った意味を持つのです。
「力不足」とは、何かを成し遂げるために必要な”力”が不足している状態を指します。「自分の力では足りない」と謙遜するときに使います。
「役不足」は「力不足」とは逆で、”役”が不足している状態です。より大きな働きができる実力があるのに、釣り合わない小さな役割しか与えられないような時に使われます。
似ている言葉に思えますが、真逆の意味を持っているため使い分けには注意しましょう。
その役目を果たすには能力・実力が足りないこと。
例文:彼は新しい仕事に挑戦したが、経験がないために力不足を感じている。
役目が実力不相応に軽いこと。与えられた役目に満足しないこと。
例文:主役級の女優が今回は脇役なんて、明らかに役不足だ。
よく日本語は難しいと言われるだけあって、微妙なニュアンスの違いを持つ表現が多くあります。「自首」と「出頭」もその一例で、犯罪に関連して警察や裁判所に関わる場面で使い分ける必要があります。正確な表現を選ぶことで、より適切なコミュニケーションが可能となります。日本語の微妙な意味の違いに敏感になり、正しい表現をマスターしましょう!